TORABARA きさらぎ29日

酒屋へ行って、ワインを選ぶ日。お買い物をすると20%還元になるのが今日までだからと、昼休憩に自転車を飛ばしたら、来月末までおトクだった。赤ワインの揃い方がとても良い、お酒好きな店主が集めてきた、たのしい棚だわ。

夕方から、歯医者で、歯の掃除と点検を受ける。掃除の人がおてやわらか過ぎて、あんましスッキリしていない。それと歯の詰め物を、治しましょう、というの、営業をかけられてるのか。先々週、銀歯がトレたこと。連動してるから今治しとくといいかも。電化製品がダメになる時は連動するみたいに、似てるのかもよ、歯。くじらの歯のネックレスをつけて行ったわ。洒落です。

なんとしても、渋谷に行くって決めてた。雨が降りだしていたので一旦帰宅して、傘を取って、徒歩で駅へ行ってバスに乗った。コーヒーチケットの招待券が本日期限。なことがきっかけだけれど、ショッピングビルの閉店時間いっぱい、ほっつき歩いて宝を探しているのは、仕事後の、休憩時間みたいな過ごし方で、新鮮だった。ほぼ手ぶらだったことも、よい。また、こんなふうに出かけよっと。

ところで、バス前の座席の人、リュックはみ出し過ぎじゃね?わたくしの座席足元にまんま置いてるよね、気にしてないみたいだった。途中でちょっと蹴ったけど、そういうことも含めて、リュックを投げだしていることに無頓着だった。

何度も、これ、言った方がいいか迷う。荷物邪魔です、ガキが騒ぎ出してるのウルサイ、サービスの程度が低い、などが、ひっかかるポイントです。清潔さに欠けるサービス。正確さに欠けてる説明。

TORABARA きさらぎ28日

スーパーに我慢ならないおばさんがいて、セルフレジの番人をしていて、こちらのレジ操作が少しでもとどこおると、いきなり、口で説明するのではなく、手がのびてきて、画面に触られる。今日は、クレジットカードの読み込みが始まらなかった、これはディスプレイ見れば、再度カードを差し込むように。と表示されているのだから、別に慌てて駆けつけていらないのだけど、そのおばはん、いきなり、わたしのクレジットカードを素手で掴んで引っこ抜きやがった。

こちらも驚いて、きゃっなんですか、と瞬間的に、ばばあの手を振り払ったしだいです。

だいたい、レジのところにその人がいるだけで、肩が力むほど、落ち着かない。果物に値札が付いていなかった時、果物売場の台に、値札が落ちていたらしく、店の人がキチンと貼ってなかったんだろこれ、こちらに落ち度があってシールを剥がしたみたいに、わざわざ、お客さまがシールを落とされた。と言ってきた事もあった。

塩を撒きたいほど。ナメクジみたいに溶けろや。

若い頃の方がヒステリックさは活発だった。あんなに誰彼のことを憎まなきゃよかった。しかし、そのにくしみを取り出してみると、やはり許せない。わたしが成長して大人になったというのではなく、嫌いな人や嫌なことに、ただ蓋をしているというだけで、にくしみは膿んだまま、生々しいまま発酵している。なにかの刺激で呼び覚まされて、これこそがわたしにとっての、亡霊だといえる。

そのひとの存在を受け付けない場合って、視界に入ってきたときのモニター画面のセンサーが点滅するかんじ。菌。みたいに、温度ではじきたくなる。わたしにとって有害なことを、察知する。

しかし、嫌いを観察する、というテーマも、わたしは持っている気がする。以前、谷川俊太郎の展覧会があったときに、氏曰く、嫌いについてとことん考えることが好き。というのを読んで、わたしも!と勢いついている。

TORABARA きさらぎ27日

朝、白く浮きあがって、富士山が見えた。ちかくみえる。

風が強すぎて、ゴミ出し用ポリBOXのフタが、どこかへ飛んでいった、とおもう。朝、無くて、もしかしたら、ゴミそのものと間違えられて持っていかれたかも、やきもきしていた。昼、あきらめきれなくて、周辺を徘徊。無い無い。

そして、夜、フタがあった。何ヶ所も、ヘコんでた。家の前に自転車を駐車しているのと、山茶花の垣根の間に立てかけられていた。どなたか、ここに戻してくれたのかも。とにかく、よかった。

図書館の本を返す。スーパーで特大メロウゴールドを手に入れた。クリーニング、薬局。用事を済ませた。

TORABARA きさらぎ26日

ほんの平日一日お休みをふやした丈で、壮大な旅ができてしまった。お昼ごはん、美味しいのが食べたいな。韓国料理にしましょ。

鉄板がじゅーじゅーいってとどいた。

夜は、思いがけない町で、電車を降りたりしよう。ぐるりと、池袋とか新宿とかを通過して帰宅いたしました。

夜ごはんは、ハムレタスサンドイッチ。お部屋でピクニックしてるみたいだった。

なにかが変わった。再生する世界が、いままではA面だったのがB面に移行してる、そこまでではなくてもA ‘なかんじ。

TORABARA きさらぎ25日

目が覚めて、雨。風が激しい。食堂にいるドラ声の仲居さん、どすの効いたサービスが、ちょっとイカツい。魚を網で焼く、旨いご馳走でございました。

みかんジュースと、冷やしたほうじ茶。

遊覧船で島を巡るプランは、無し。ゆるく温泉廻りするか、いいえ、もっと攻める。

このように切符を買いましてよ。

親指の爪、きらなきゃ。マニキュア直さなきゃ。さて。必ず、この電車に乗ること。往き:10時05-10時43 復り:15時10-15時48。そののち南紀白浜8号に乗る。

本州最南端ですって。ときめく。岬の風が横なぐりで烈しかった。

潮御﨑神社さんへ参拝させていただく。
潮見台。くじらを観測する場所。
灯台のところで太陽が輪郭がお目見え。白亜の灯台は明治初期、イギリス人リチャードブラントンさんが設計した。この岬あたりは航海の難所であるため、灯台の果たす役割が大きい。
一番眺めがいいように窓を造ったよね、額と絵みたい。灯台の内らせん階段を登る。
念願の、南の果ての美術館へ来ちゃったわ。遂に。寅と龍の襖絵を見なくちゃ。名前の轟いている、お寺所蔵の、文化の極み。をかんじてこよう。

ちーん。寅も龍も、出張中。現在、九州の展覧会へ。頻繁に、ひっぱりだこで、ここの倉の襖で収まっていることのほうがめずらしいくらい。

客は、わたし一人だった。作務衣すがたの寺の尼さん?が案内をされてた。いくつもの一幅の掛け軸を、食い入る様に、しばらく見まして、はなれの高床になった蔵へ移動します。襖が、桟に填まったまま、お部屋空間を再現してあるような展示、兼、保管。すっかり堪能いたしました。よかった。長沢蘆雪の大胆な傑作が、いくつも、寺の本堂で生まれた。背景に、寺住職との禅問答のようなのがあったか。豪傑な精神はそのまま禅僧に通じているか。なにげない墨のひと筆に、膨大な画技の洗練が現れている。

ここに最後に来たことも、よかった。画集を購入して、その少し大きな白い包みを胸に抱きかかえたまま、帰りました。画集だけは手に持って、特急電車と新幹線に乗りました。

走れ!特急南紀!

充実した旅はするもの。一生のうちで旅のときだけが星みたいな煌めき、かもしれないこと。

串本。スーパーマーケットのお寿司のクオリティーが抜群よ。

TORABARA きさらぎ24日

晴れました。

朝、自転車を借りて、サイクリングよ。

巫女さんの後ろ姿も映った。
遠くの煙。
橋。
酒蔵さん。「太平洋」とかの。
神倉神社 すがすがしい空気。

阿須賀神社をお参りして、Uターンした。ホテルの朝食をいただく。

そして、チェックアウト。すぐそばの浮島を見学しましょう。

浮いてるんですって。神秘的。ここにある植物は、鳥が運んだとおもわれる。種を。北国の草と南国の木が同居していることもふしぎ。台風の時は、島ごと動いて、木が倒れないようにしてたみたい。昔は。今は猫の闖入がある。戸を建てたいくらい。猫の尿で、一帯の草が茶けてしまった。大蛇が娘を飲みこんだ伝説のある沼は深さは32メートルだそうです。
このような橋が歩道になってジャングルを廻れるようになっています。

熊野古道の、高野坂を歩きたい。そして大門坂から那智へ参拝する。たっぷり瀧をみたい。那智勝浦のホテルへ夜6時到着予定。という問い。観光案内所の方にガイドをいただいて名案がうかぶ。高野坂入口まではタクシー。1時間くらいなら、全荷物を担いで歩こう。紀伊勝浦の駅ロッカーに預けてから那智山へ向かおう。

高野坂、広角登り口までの道のりは、海の見える道路をおねがいした。海が青い。タクシー運転手曰く、もっと雲が無いときは、鏡そのものな凄い青。だそうです。

高野坂。海も見える山道をもって、熊野古道のハイライトといわれています(ガイドブック調べ)

ものすごく綺麗ですってば、海。
木漏れ日の落ちる道を歩けるなんて、思いがけない。旅の4日間は、長雨の予報だった。嬉しい誤算。
鯨見台。くじらを見つけたら、船出している狩のひとびとに、サインを出して、くじらの泳ぐ正確な位置、どれほど大きいかを、信号で知らせる。

たっぷり歩いて、三輪崎駅に辿り着いたらちょうど5分後に電車が来るって時間だった。13時2分発、JRですと海が間近で、いい眺めでした。

紀伊勝浦出発、那智山行きバスで、大門坂へGO。

もくもくした、山肌。

夫婦杉の巨木が入口。

岩を木の根が抱えこむ

胎内くぐりしました。胎内にいるわたし。

三重の塔から見る、那智の滝
瀧見台から見る。
瀧。
美味しいお水をくれる龍。

瀧見台は、16時に閉まらなかったので入場できた。ここに16時20に到着して30分間、瀧に見惚れていました。2011年の台風があったとき、滝壺に球体になった岩が浮かんできたそうな。龍の力が顕れた。ここを守ったってこと。球体の岩は、祀られています。丸丸していました。しげしげと見入る。

お宿にて。熊野古道を歩くときの、平安時代の装束ですな。

TORABARA きさらぎ23日

湯浴み着にて、露天風呂の混浴に入る。朝靄なころに。ここに温泉が湧いたことの不思議。すぐ目の前の川、河原の石をつたって川に手を浸けてみた。冷たい。朝が、生み直すような威力のあるような、圧倒的に、闇を打ち倒したような朝だった。温泉に入ってけろり。目が醒めた。

さて。今日は雨、どこを歩こうか。請川のバス停まで行ければ、が叶った。宿の人へわたしの叫びが伝わったかんじ、車を出してくれた。地図を睨み、先ず、今日の宿に荷物置かせてもらって、身軽に行動しましょ、これも叶った。新宮、地図的に宿に近いバス停で降りた。シングウコウコウマエ、当たり。

ここの観光案内の写真を見たときから、一目惚れ。本命。その神社の名前は、神倉さんです。

荒っぽくて急な階段、ここを駆けて火の祭りは、松明を持って走るなんて。階段の脇が崖っぷちになってるかしょもある。ひーえー。

見えました。巨岩。
到着。来ることが出来た。

速玉さんへ移動よ、烏の黒い版画みたいなやつ、ください。と言って授かりました。時間、バスとか電車、行けそうだったので、熊野市へ移動。13時26分発。

熊野市、駅前観光案内所に駆け込む。松本峠を歩きたいのよ、鬼ヶ城へも行きたい。獅子岩も見たい。そして、行けちゃう。すぐに巡回タクシーにお乗りなさい。地図も呉れた。

松本峠。木の根と石が共生する道。
鬼ヶ城、入口すぐの、こちらも獅子っぽい。なにかの顔っぽい。
岩に張り付くように歩ける
海にあたまを出す岩、渦巻く波。
岩の織りなす景観。鬼の洗濯場、が見える。

自分の身は自分で守る。って看板に書いてあった。油断しないで、歩くことです。ひゃー、ここを歩けたことを感謝。世界遺産なんですって。

獅子岩。

夕方になり、やっと獅子岩の海辺に到着。空は明るくなって、夕焼けだけたいようがおでましになったりして、どこか海が赤いようなかんじ。雨が上がっている。明日は貴重な晴れの日になる。

綺麗なお月さま

TORABARA きさらぎ22日

紀の川SAで、不知火ジュースを手に取る。みかんの種類が豊富なのね、シラヌイ。ですって、読み方。

ギリギリの寸出で、なんとかさいぜんを選ぶこと。をしてゆく。スリルがれんぞくしてゆく。そういう、旅。わたしの人生の傾向でもある。

高速バスの停止駅に、温泉地の近くがあることに気付く。新湯崎。崎の湯は、8時からオープンしていた。強風と雨で傘が曲がりそうだったのに、太平洋、直その波が入ってくる露天風呂を、一人占め。まったく雨粒が止んでいる、空が明るく、水色がすこし見えた。天気は、わたしの思うままなのか。両手を広げて、波に合わせてジャンプした。まっ裸の原始人が地球のうたをうたう。みたいな時間。

次は、洞窟へ。検索すると亡霊っというワードがヒットする。それでおっかないから行くか迷いがあったのだけど、風光明媚なのを見たい。洞窟は、こてこてに、昔の匂いがする処。源平の戦いで、兵士は舟ごとここに潜んでいたらしい。

絶景。

足早にここは去った。なにしろバス時刻が、迫る、その度に問うのだ。もっとここに居たいか、その長さは、バス時刻次第になるけど。9時33発、唯一ここから本宮さんに直通するバスがある。これに乗った。

雨なので、難しそうな山行は、やめておく。本宮さんへお参りして、またまたバス。に運ばれて、発心門王子から、熊野古道を歩いてみよう。そして、川湯温泉に泊まる。

熊野本宮さんへお参りしたい。とノートに書いたら、本当に来てしまう。八咫烏さん。との由縁があるから、カラス見かけると有難く思えた。神さまの化身よ、更に、スサノオさんの祀られている屋根に烏がお登りあそばせたのでした。おおお!と見上げていたところに太鼓が鳴り出し、祝詞も聞こえ始める。しゅくふくのしるしみたい。むねがいっぱいになる。

熊野古道は、歩いている間は、雨が全く降っていなかった。道沿いに、ハッサクが売っている。一コ、剥きつつ頬張って水分補給にしながら進む。皮は捨てないで、シャラシャラする薄いビニールをゴミ袋にしてポケットに持ってる。歩き食いスタイルは、これだね。曇っていたせいで山にたなびく霧も見えた。

山に霧のたなびく。

どれほどか歩いて、大斎原が望める。

山並みの重なる背景

本宮さんまで歩いて、まだお授けいただけるなら烏牛頭を、三山巡るから、集め始めようではないか。そして、窓口は、夜景になってランプが灯って、開いていました。

バス。16時58が、最終です、間に合った。川から湯煙がたちのぼっていて、なんといい風情なの、ここにはいろいろ、生きてる。木霊とかも交じった空気。それで泊まった部屋だけど、鏡に劣化した石みたいな部分があって、それが赤くて、中央が目ん玉みたいな青。はじめ、わたしが口紅を付けたっけ、と二度見して、いえいえ、何かが石になったような、なんだったの、とにかく、意識してしまい、電気を消せなくなる。鏡は、壁の真ん中に掛かっていて、ひんぱんに前を通るしかない。ジーっと、その一点にしか気持ちが向かわなかった。

夜とは闇だったことを忘れるようになっている。畏れる対象、異界は、世の中から取り除かれていった。なにかが宿っているかもしれない、気配としての恐さ。とにかく朝になれ。早く。という時間。夜中3時に、なんでこんな部屋を用意されてるのか恨んで腹が立っていた。夜が濃かったってことか。

川。食堂から撮った。