金曜日。重ねて届いた、父からの手紙。わたしが突きつけた内容を、かみくだいたわけでもない勝手な言い分が、ツラツラ書かれていて、
お互い、ここが限界だということに対して、なのかな、わたしの体は涙ぐむような反応をした。
田舎のベースが、陰湿というか、呪術的というか、霊界に属していて、物事の道理に、合理的な要素が薄い。ただ漂うひとたち、朦朧体のようなものか。今回の、惨事としか呼べないような、父のシロウト本の出版。その内容を詰問することで父の時代錯誤を悟る。わたしが、離れたかった感性の正体が露わになってゆく出来事。
ところで、雨具のマントが先日から見当たらない。干したとき庭のほうへ飛んだままか。家のまわりがぐるりと庭で、ぼうぼうの草が2階にとどきそうな勢いで茂っていて、とても足を踏み入れたくない。のだけど思い切って、庭に入る。じつは、雑草地帯の歩き方を知っている。根を横倒しにつっかけで踏んづけるのだ。つかんでいい草を、瞬時に見分ける。擦れそうな草を除けるため、服でおおわれたところで肌を守る。
とにかく、マント、あったよ。よかった。