TORABARA ながつき14日

縄文杉へ、まさか歩いて行けると思っていなかった。チャンスの神さまの前髪。昨日、観光案内所に現れたひとが早朝登山バスチケットを購入した、その時に、日帰りで行けるって知った。この運び。

早朝のバスは、10分早く、暴走していて、わたしは宿から懐中電灯でかろうじて山切り拓いた狭い道を下り、公道へ踊り出た、そのしゅんかんに、バスが来て、乗れた。やや、1分おそかったらのれなかったってば。開いた目がふさがらないような驚いたままなじょうたいで屋久杉情報館に到着。

真っ暗な中、屋根付きの空間から溢れるほどの人・人・人。この日、さんびゃくにんくらいが登山したみたいよ。空には月や星が見えてた。

5時20分のバスで出発。登山開始は、6時。

むこうの雲に朝日のピンク。

山から湧き水があるのを、両掌を柄杓にして、口に持ってゆく飲み方で、喉を潤す。水筒には熱い日本茶を淹れてきている。梅干し。自分で漬けた大粒なのをラップして持ってきている。最高だった。いつまででも歩ける、水とミネラルだね。干し無花果もおやつに。

木々が生い茂る、空気がおいしいところ
木が枯れることもドラマチック
もともと木材を運ぶトロッコが走ってた跡地を、延々と10キロ歩くってコースです
水平に木の葉が伸びゆくかんじ。生命力が満ちている。
こんなかんじの道。
葉っぱに厚みがある感じ
大山神社さんに、道中の無事を祈った。苔の階段がすてき。
この辺りは若い木だね
長い時間の中で、ゆっくり曲がったのかな。
光の照す森
わー、いい感じに光る
光りの撮影会。なんまいか撮った。
あおい
何筋もの光
川は、いくつも越えた
左下に自分の指がぼやけてうつってるね、クセかも
三代杉
晴れてて、みどり
大きいよね
翁杉
ウィルソン株
大きい大きい
夫婦杉
北展望台に到着したとき、どしゃぶりになる。一帯に霧がかかって、幻想的な世界になった
来ましたねー
霧の中の、縄文杉
霧の一帯
正面展望台
もっと近寄って見たい。さわってみたい。こんにちは、杉さん。わたし、やっと、来ましたよ、と話かけた。

ここに来るなんて夢。旅の力は、すごい。

ガイド付き軍団が、全て下山するのを待って、独り占めをする時間。それにしても、ガイドの蘊蓄って、うるさかった。日本語がひっきりなしに聞こえている山の中って、金輪際ごめんだわ、とおもう。何かのレースみたいに、マナーだのタイムリミットだのに縛り合う、見張り合う、比べ合う要素。

この日に泊まった民宿の主が、この島でガイドという職業を立ち上げた創始者だった。観光化して、収益で島を潤す。同時に、歴代の先人が賢者だったからこそ今の屋久島があることを、敬う。島の尊厳を体現するような人物だった。縄文杉へは、最大で7名くらいのガイドツアーでしか行けないように、整えたいらしい。

率直にわたしの意見を申し上げた。木と遠い。なんなら手で触ってみたい。間近で匂いを嗅ぐとか、実感をしたい。

ここに関しては、展望台を4メートルの地点に設置する案を出していたらしく、協議する学者連中15人くらいのうち3人しか賛同しなくて廃案になったらしい。残念でした。

山道、宮之浦岳へつながっているほうへ、少し足を踏み入れて、昼食。ちかくでカエル?が鳴く声が聞こえているよ
木の形態がさまざまだった。
ばんざいしてるみたい
陸橋から白い花が咲いてるのが見えて、引き返してシャッターをきる。
化け物みたいに大きな葉っぱ。シダ類ですな。

事前に5種類くらい、葉っぱの名前を覚えてから山に入ると、山の中で見つける楽しみができる。天候が好き時で、登山してるひとがすくないときはあるかな。宮之浦岳への一泊登山を試みてゆけるとき、登ることを憧れる。もともと女人禁制だったらしいから、遠慮のきもちがあるというか。ツアーでしか行けない流れは、わたしにはそぐわない。ツアーが牛耳っていることに、わたしの内なる自然の聲が、がっかりしている。