TORABARA やよい20日

着付けのお教室は、何人か先生がいらして、その中のひとりが、決まって他の先生がいらっしゃらないときに、私に近づいてきて、指をさして、シワがあるからたたみ直して。と言ってくる。3回も、たたみなおし。

小姑が嫁をいびるみたい。しかも、私の方が年上なんですけど。

このお教室は8回、無料で、ケチをつけるのは悪いけど、お借りするお着物の襟元に、茶色いシミがあり、ちょっと着るの、厭なんだよな。

3回シワを直させて、衣装の袋に仕舞わせるなら、3回結び紐をほどかせて、結び直しをさせるほうが大事だろ、と思う。結び方を覚えるでしょ?ということ。まだおぼえてないことを反復させるから意味があるんじゃないの?

そもそも、シロウトに着物をたたませて、なにがなんでも袋に仕舞ってしまうから、ちょっとした汗が残って、シミがぶわっとできたんじゃないの?

干せってば。

お着物の運用が、ちょっとここ、違うかな。いい学校ではない。あの小姑のひとも厭だし。このまま、残りのレッスンは、通うか、今、迷っている。

TORABARA やよい19日

朝のこと。ちらちら、赤い幟が目に入って、近所のお稲荷さんがお祭りだと知る。春と秋にあります。

境内はちいさいのだけど、みんなが優しい気持ちになって賑わっている。外に机が並び、鉄板焼きとかおしることか、調理しながら、販売されている。あ、おしるこは、無料ですって。ありがたい。じゃがバター100円。フランク200円。お砂糖を入れているわけではない食べ物も、なんていうかあまみがあって、ここの波動で、とっても美味しくなっているとおもう。お祭りに参加させていただき、朝の幸先がよい。今日はいい日になります。

一週間前はショッピングモールへせっかく行ったのに、あまりにもゆうじゅうふだんだったことが無念で、今日は、リベンジするとしよう。電車は、シュッと行けるやつに乗る。先週は、つっかえつっかえ、4回くらい乗り換えたっけ。

わたしにとっての天赦日があるとすれば、今日だったかも。何もかも、力強く前進する。何事も許され、物事の決着が早い。

お買い物万歳。イタリア製サンダルも、タッセル付き上品で軽ーい折りたたみ傘も、嬉しい。日除に何時も被れそうな帽子も活躍の予感。

いいお買い物をしている時って、天からの贈り物がわたしにわかるように、宙のほうから不思議なパイプを通って、ポッと目の前に置かれた。というかんじ。こんなにいいものがあるのに、周りのひとはなぜ気が付かないんだろう、わたしに買われることを、存在をひそめて待ってくれてる。いいえ、今日は、もっとせっきょくてきに物に呼ばれた。タイミングが目に見えている。とにかく、こうふんがさめやらない。

感謝です。

昨日の雨でいっそう麗しくなったアセビ。

TORABARA やよい18日

時間指定で美術館のチケットを購入していて、その時間内に間に合うのかってころ出発した。もうこれ、確実にアウト。と判り、チケットって1分でもおくれたら無効なのだっけ、という焦燥感で、囚われたまま、ネットの乗換案内の画面を睨む。無効になってしまった場合も、猛り狂わないように、自分を宥めた。無効ならば、チケットをすみやかに新たに買おうではないか。たいしたことない。と念じ、駅からは、雨の中、ほとんど走って、到着。

6分、遅れた。

会場案内の女性は、やさしかった。まるでこちらの時間がずれてしまう根本の、せんざいてき歪みまでも手当てしてくれそうなくらい、いいんですよ、ようこそ。という具合に迎えてくれました。美術が美術館がサービスがなんたるかをわかってらっしゃる。はああ。よかった。

美術観賞、たのしかったです。いい絵がたくさんある空間は、そこにいるだけで至福がある。いい絵というのは、ぐびぐび飲む、みたいな味わいかたができるものです。どの絵が一番好きだったかな、初期の頃の作品で、その画家のスタイルのハシリが顕現しましたね、という重要な一枚。かもしれないやつに釘付けになりました。

※厭世的な気分が、おそらく今のわたしにあるため、肖像画は、ハガキは、選ばなかった。

TORABARA やよい17日

ひと月の半ばをすぎて、毎日の日記を記すことが、日記という「ペルソナ」を形成していってる丈なら、早いうちに、やめろと思う。誰かが読むかもしれないことは、そこに、世間が生じるということ。

昨日、写真について考えていたことを、つづきを、考えてたけど、考えなくていいよ。が答え。

今日は今日で、難題かもしれないことが考えを覆っている。大半の時間を過ごしているところがかりそめだよな、という件。前に、なるべく無機質なしごとをすることでしか、コアな自分が守れないって述べた。くさりそうなことがあったので、むかしからふつうに、くさったようなことだらけだったじゃないかということが、走馬灯のようにおもいだされた。もしも、なじみもしないシゴトにひたろうとしてしまえば、シゴト生命をちぢめる。わたしの憧れは、なじみもしないシゴトのことがどうしても続かない、という正直さ。

だから、本当は、シゴトは長びかないはずだということ。それで、長びいているためにかりそめになるしかない。

うやむやさがつづいている。わたしがコミットしていないのは周辺の、しがらみごっこみたいな付き合い。シゴトはpcの中で執り行われています。メールにある名前、担当者の名前。実際に見たことがあるひとはほとんどいない!課長、は毎日、業務上登場しているというのに、先日、出社したときに、リアル課長もそこにいたのに、どの人か確認しなかった。休憩時間が終わったときに課長からクッキーがとどいていたと伝言されたのに、ふんふん、と只、自分のかばんにしまった。あれ?こんなにリアルに興味ないのって、なんなの。

今日の、くさりそうなことは、犬か人かくらい区別があるんじゃないか、という扱い。わたしがよく行く公園は、犬を散歩させているひとが集まってくる。犬は犬にしか興味が無いために、飛び付くほど好きか、牽制して吠えるか、反応が露わ。同じことが、犬か人か分類したような人におこっている。犬が犬に反応するくらいもあらわに。しょくばのひとだけど、犬類が、遠目で人をニンシキしようとしているくらいに、こちらをエイリアンに扱ってる。

TORABARA やよい16日

丸2年経つこと。その日は奇跡的に、桜が咲いて、いつもの公園から、富士山が見えることを、通りすがりのひとの会話で知った。富士山のことをわたしの耳に伝える使徒だったか、天からの粋なはからいかしらとおもった。区役所からはタクシーに乗った。二人きりで式を挙げたこと。モエエ・シャンドンで祝福したこと。夜景は東京タワーの灯りで空の色が群青色になっていて、ビルが建ってゆくのがラッシュな頃だったから、首の長い、クレーンが連立している光景を、眺めた。いいね、都会。

神社さんにて厳かな式だったこと。ホテルのお部屋で、神社さんから贈られた品物を、丁寧な包み紙を開けて取り出して、ぐるりまわしてみる。光にかざして眺める。またそれを大事に仕舞ってみる。いいものをいただいたことをたしかめていた。塗りのお椀とか盃。

計画外のことがあったので、いい写真が残せていない。

旦那のひとは、日頃のくたびれがピークになっていて、目が赤いのが引かなかった。式に間に合うように、一週間前から目の病院へも行っていたのに穏やかな薬しか処方されなかったため、赤いままだったなんて。飲み薬だったら即効性があるから、赤いのは引くのに。ちゃんと医者にいえばよかったねと、後々何度も言っている。

わたしは当日、朝の4時には起きていて、眠っていないといかに写真映りがひどくなるかを思い知った。メイクとか着物のスタッフさんに逐一、服や髪を直されながら撮影されて、調子が狂ったとおもう。慣れないシチュエーションで顔面がひきつる。こちらも都度、捨てるほどいやな写真をとられるくらいだったら、点検すればよかった。スタッフさんに、緊張するからつきまとうのを止めて。と言うべきだった。写真を、好きになれない。残したい写真が、全く無くて、このことを引きずってしまい、何ヶ月も、写真っておもうだけで泣くほど、嫌な気持ちで停滞した。今もほとぼりはある。カメラマン←下手。から送られた元データを、捨ててしまったことで、もう頭の中の残像も消えてくれるといいです。

ハレの日なのに、いい写真が残らなかったなんて。誰にもみせたくないのに、「結婚」という「体裁」は、容赦なく写真を廻してしまうものらしい。気に入れるとよかったのに。気に入れるとよかった。

わたしがこころでシャッターをきったほうの、かけがえのないひとつひとつを、ちゃんと覚えていようとおもう。

あ、今日の日記を書くのだった、特に変わったことのない、なんでもない日。2年前の今日を、思い出していた。

TORABARA やよい15日

黄色のチューリップの球根を買った覚えはないのだけど、とにかく、黄色く開花した。

それと、アマリリスの球根を植えよっかな、用意で土を植木鉢に入れた。植えるのは朝がいいとかあるのかな、夜?に植木をするのって、植物がびっくりしそう。

それと、去年12月に菊の花を買いました。いまも咲いていて、根が生えはじめた。これ、土に移して育てよう。

ウドを、1週間まえに購入していて、なかなか調理できなかった。芽を天ぷらにするのはもう古いからやめて、ザクザク切り刻んできんぴらにいたしました。こういうの、スグに、料理をすることがすごくいいっていうのわかるけど、どうしても、いまは、そういう料理するあたまじゃないんだよね、冷蔵庫は開けているんだけど、見なかったふりをして、効果音「ちーん」っていうのを、奏でたりしているかんじ。もういよいよだめになってるかもね、さすがに、洗って。アク抜きして。お料理してみたら、なんていい香りがたちこめるの!山菜は、冬の間、溜め込んだ毒を吐き出せるらしい。苦いのがね、からだに良い。美味しくいただいているところ。

TORABARA やよい14日

インターネットの線を、電線から建物にひいた時の、家につながっている電線、が、ちょうど窓から見えていて、ブランコみたいに揺れたので、あ、鳥ちゃんが止まったと気付いた。ブランブラン、けっこう大きく揺れているので、大きめの鳥ねと、のぞいたら、ハトに近いくらいの体。尾の長いやつ。尾は黒。

野生の幾種類もの鳥が、近辺に棲息している。色々な鳴き声がしている。

羽をやすめるために、そばに近寄ってきているけど、こちらの姿の気配があると(このごろ、この日記を書いているので写真をとりたくてカメラを向けた)、あわてて飛んでいってしまう。そのくせ、でんせんが体重でしなって、けっこうな揺れになっていても、バランスをとりながら、なんとか足をふんばってはなさない。前向きでアグレッシブ。今日の観察。

夜、出かけることがあって、更に夜、湯舟につかって、あれ?わたしメイク落としたっけ?と湯気で曇っているカガミの一部だけくしゅくしゅっとこすって、見えるようにして、顔を覗いた。メイク、落としてたんだ、へええ。この動作が新鮮だった。

TORABARA やよい13日

着付けの上達を確かめるため、合わせ鏡をして後ろ姿も見てみましょうとなって、帯の締め方どころではなくなる。わたしの頭のつむじの、髪の毛が、こころもとないぶんりょう。知らなかった。着付けの先生がお写真も撮っておきましょう、とシャッターを押して下さったけど、わたしの頭頂部は、びみょうに画面から外してしまわれた。これは咄嗟の気遣いだったか。髪は生やそうとすれば茂ったりするっけ、草みたいに。

髪が髪が。念入りにマッサージしている日。

インターネットで販売している文庫本に手応えがあった日。コメントをいただいた。それで、ご指定通りのお値段にして、是非、とお伝えしたら、購入してくださった!もう夜でパジャマに着替えていたのに、いそいそ、梱包もして、外出着になって、チャリを漕いで、発送するポストに投函までしてきた也。嬉しいときに、いくらでもエネルギーが湧く。困ったな、目が冴えちゃった。

2冊セットして売っていたうちの1冊だけほしいというコメントだった。パッと、1冊だけの写真に入れ替えたはずが、買わない方の1冊を載せてしまった。お客さんからツッコミが入り、直したしだい。思い込みって強いなとおもう。こっちは売れにくいと思ったほうが売れたってこと!

じわじわ、うれしい。ららー。ららら。