TORABARA やよい3日

ひなまつり。ちょっと上等のイチゴをいただきましょう。

昨晩から検討している毛糸編みのご本を、所有することにする。わたしは、図書館で本を借りて参考になるページだけをコピーするスタイルをつづけてきた。ピンとくるページを厳選して、バラな紙で持ってればいいとおもってきた。

毛糸かぎ針でモチーフを編むの、難易度が最高峰なのは、風工房さんの図案だとおもう。この本はすでに絶版で、わたしはコピーした紙は持っていて、つい先ごろ、この難しいモチーフを又、編み始めていて、ふと、この紙を失くしたら二度と編めなくなってしまう、こころぼそいかんかくになった。

モチーフというと、楽譜を覚えるみたいに、何枚か編んでるとおぼえてしまうものだけど、いつまでも。図案をよくよくたどらなければ間違う。この逡巡があった矢先、古本屋さんに状態の良い、当の本があらわれたのだった。「麗しのレース編み」

すぐに買わなかったのは、コピーで集まっている資料が、これからも本に買い替えるまでの仮の姿だとしたくない想い。手に入れた方は、本の値打ちとして頗る良品なので、手元に置くことにしよう。買う、をとことん我慢した対象への、慎重さ。

何年かぶりになる公園へ行った。前も、梅が咲いてる時に行ってる。磯渡りの岩。寒緋桜、咲いた。

束になってると桜、らしい。

長閑、どこからともなく、いい空気がたゆたう場所。

亀の甲羅干し池に映る。
雲、池に映る。

現美常設展へ。逍遥がテーマだった。入り口にある大きなオブジェに、やっとピントが合う。緻密で合理的で、準備周到に、未来への駒を進めているつもりが、そこには亀裂がはいっていて、言葉では言い表わせない、なんの意味か説明できないところ。これを潜在意識。として表現しているオブジェってことでした。

来た道を帰る。四角い区間になってるエリア。その区画が、広大。それで道が真っ直ぐだよなー、といつもおもって歩いてるきがする。美術館という宮殿に向かう巡礼者の道。

TORABARA やよい2日

風が強い、寒い朝。こんな日も梅祭り。野外で植木屋さんが、突っ立ってなくちゃいけないおばさんが無表情で、こんな日の商売は苦労だとおもった。

美術を見に行く。1年のうちに何度か行っている。常設の彫刻は、どこになにが置いてあるか、図にかけるかもしれないくらい、馴染みになってる。今日は、エミリオ・グレコ「水浴の女」に、はっとした。

ヨギーな彫刻群が楽しい

渋谷廻りで帰宅するとき、急に古本屋さんに寄りたくなる。暗くなってからの、ランプの灯りが照らす本たちは何故にほっとするのか。いくつかの背表紙に呼ばれている。一晩かんがえよう。ちょっと遠回りになって、帰宅して、

近所老人の友人に、旅の報告をするべく、カフェへ。旅じまんみたいなのを長々と話して、こんなにいい旅をしたのは、河口慧海を読んでたから。という結び。

本州最南端の町にて、川沿いの道路を歩いていたら一瞬で、かぶっていた帽子が川へ落下。プカーと水に浮いた。風がはかりしれない突風。呆気なかった。

帽子は、この旅のためにプレゼントされた、まだ3日しかかぶってないやつ。川に落ちた写真を撮るべく覗いてみる。ガードレールを跨ぎ、2段分、崖を降りれば川岸になっていて、行けそう。

とにかく相当なアクロバチックなやり方で、帽子を取り戻した。崖を下るほうはまだしも、川に靴ごと入ってやっと掴めたこと。崖を登るのに橋に渡してあるパイプ状の管につかまって、まさかの懸垂。しかもいちど体がグランと振られた。

地上の道路にもどってくることが出来て、濡れた帽子を、その辺の草で拭く。タオル代わりになるピンク色の雑草がちょうど絨毯みたいに生えてる。花をいっしょくたに毟ってることですこしなぐさめになった。一連の冒険は用意されてるみたいだった。

人には克服できるギリギリの試され事が与えられる、その最たる体験でしたとさ。

よき風情が残る町。

TORABARA やよい1日

天候が荒れていて、公園へ行かなかった日は、ほぼ歩いていない日になる。

今週は、仕事時間が長かった。ゴール近くなって、秒読みで開放を待ってる時の、全能感覚。この週末こそ、何もかもやってみせる。とおもって、

ワイン飲み始めて、椅子で寛いで、ようするにワインがまわっていて、ダラーンと、ネットでおかいものをはじめそうなゆるまりかた。

お庭の柚子が風で、随分落ちてしまった。
今日焼いたクッキーは、前回よりも上手くいってる。厚いクッキーで、カリカリにこんがりな仕上がりが好き。150度、低温で40分。そののち、温度を上げて調節。です。

夜の時間に、レコードをかけた。犬がスピーカーに耳をかたむけたマーク、昔は。実像もあったよね、町の電気屋さんの前に。さっきみてた、美容に関するお買い物、しちゃおうかなー。

TORABARA きさらぎ29日

酒屋へ行って、ワインを選ぶ日。お買い物をすると20%還元になるのが今日までだからと、昼休憩に自転車を飛ばしたら、来月末までおトクだった。赤ワインの揃い方がとても良い、お酒好きな店主が集めてきた、たのしい棚だわ。

夕方から、歯医者で、歯の掃除と点検を受ける。掃除の人がおてやわらか過ぎて、あんましスッキリしていない。それと歯の詰め物を、治しましょう、というの、営業をかけられてるのか。先々週、銀歯がトレたこと。連動してるから今治しとくといいかも。電化製品がダメになる時は連動するみたいに、似てるのかもよ、歯。くじらの歯のネックレスをつけて行ったわ。洒落です。

なんとしても、渋谷に行くって決めてた。雨が降りだしていたので一旦帰宅して、傘を取って、徒歩で駅へ行ってバスに乗った。コーヒーチケットの招待券が本日期限。なことがきっかけだけれど、ショッピングビルの閉店時間いっぱい、ほっつき歩いて宝を探しているのは、仕事後の、休憩時間みたいな過ごし方で、新鮮だった。ほぼ手ぶらだったことも、よい。また、こんなふうに出かけよっと。

ところで、バス前の座席の人、リュックはみ出し過ぎじゃね?わたくしの座席足元にまんま置いてるよね、気にしてないみたいだった。途中でちょっと蹴ったけど、そういうことも含めて、リュックを投げだしていることに無頓着だった。

何度も、これ、言った方がいいか迷う。荷物邪魔です、ガキが騒ぎ出してるのウルサイ、サービスの程度が低い、などが、ひっかかるポイントです。清潔さに欠けるサービス。正確さに欠けてる説明。

TORABARA きさらぎ28日

スーパーに我慢ならないおばさんがいて、セルフレジの番人をしていて、こちらのレジ操作が少しでもとどこおると、いきなり、口で説明するのではなく、手がのびてきて、画面に触られる。今日は、クレジットカードの読み込みが始まらなかった、これはディスプレイ見れば、再度カードを差し込むように。と表示されているのだから、別に慌てて駆けつけていらないのだけど、そのおばはん、いきなり、わたしのクレジットカードを素手で掴んで引っこ抜きやがった。

こちらも驚いて、きゃっなんですか、と瞬間的に、ばばあの手を振り払ったしだいです。

だいたい、レジのところにその人がいるだけで、肩が力むほど、落ち着かない。果物に値札が付いていなかった時、果物売場の台に、値札が落ちていたらしく、店の人がキチンと貼ってなかったんだろこれ、こちらに落ち度があってシールを剥がしたみたいに、わざわざ、お客さまがシールを落とされた。と言ってきた事もあった。

塩を撒きたいほど。ナメクジみたいに溶けろや。

若い頃の方がヒステリックさは活発だった。あんなに誰彼のことを憎まなきゃよかった。しかし、そのにくしみを取り出してみると、やはり許せない。わたしが成長して大人になったというのではなく、嫌いな人や嫌なことに、ただ蓋をしているというだけで、にくしみは膿んだまま、生々しいまま発酵している。なにかの刺激で呼び覚まされて、これこそがわたしにとっての、亡霊だといえる。

そのひとの存在を受け付けない場合って、視界に入ってきたときのモニター画面のセンサーが点滅するかんじ。菌。みたいに、温度ではじきたくなる。わたしにとって有害なことを、察知する。

しかし、嫌いを観察する、というテーマも、わたしは持っている気がする。以前、谷川俊太郎の展覧会があったときに、氏曰く、嫌いについてとことん考えることが好き。というのを読んで、わたしも!と勢いついている。

TORABARA きさらぎ27日

朝、白く浮きあがって、富士山が見えた。ちかくみえる。

風が強すぎて、ゴミ出し用ポリBOXのフタが、どこかへ飛んでいった、とおもう。朝、無くて、もしかしたら、ゴミそのものと間違えられて持っていかれたかも、やきもきしていた。昼、あきらめきれなくて、周辺を徘徊。無い無い。

そして、夜、フタがあった。何ヶ所も、ヘコんでた。家の前に自転車を駐車しているのと、山茶花の垣根の間に立てかけられていた。どなたか、ここに戻してくれたのかも。とにかく、よかった。

図書館の本を返す。スーパーで特大メロウゴールドを手に入れた。クリーニング、薬局。用事を済ませた。

TORABARA きさらぎ26日

ほんの平日一日お休みをふやした丈で、壮大な旅ができてしまった。お昼ごはん、美味しいのが食べたいな。韓国料理にしましょ。

鉄板がじゅーじゅーいってとどいた。

夜は、思いがけない町で、電車を降りたりしよう。ぐるりと、池袋とか新宿とかを通過して帰宅いたしました。

夜ごはんは、ハムレタスサンドイッチ。お部屋でピクニックしてるみたいだった。

なにかが変わった。再生する世界が、いままではA面だったのがB面に移行してる、そこまでではなくてもA ‘なかんじ。

TORABARA きさらぎ25日

目が覚めて、雨。風が激しい。食堂にいるドラ声の仲居さん、どすの効いたサービスが、ちょっとイカツい。魚を網で焼く、旨いご馳走でございました。

みかんジュースと、冷やしたほうじ茶。

遊覧船で島を巡るプランは、無し。ゆるく温泉廻りするか、いいえ、もっと攻める。

このように切符を買いましてよ。

親指の爪、きらなきゃ。マニキュア直さなきゃ。さて。必ず、この電車に乗ること。往き:10時05-10時43 復り:15時10-15時48。そののち南紀白浜8号に乗る。

本州最南端ですって。ときめく。岬の風が横なぐりで烈しかった。

潮御﨑神社さんへ参拝させていただく。
潮見台。くじらを観測する場所。
灯台のところで太陽が輪郭がお目見え。白亜の灯台は明治初期、イギリス人リチャードブラントンさんが設計した。この岬あたりは航海の難所であるため、灯台の果たす役割が大きい。
一番眺めがいいように窓を造ったよね、額と絵みたい。灯台の内らせん階段を登る。
念願の、南の果ての美術館へ来ちゃったわ。遂に。寅と龍の襖絵を見なくちゃ。名前の轟いている、お寺所蔵の、文化の極み。をかんじてこよう。

ちーん。寅も龍も、出張中。現在、九州の展覧会へ。頻繁に、ひっぱりだこで、ここの倉の襖で収まっていることのほうがめずらしいくらい。

客は、わたし一人だった。作務衣すがたの寺の尼さん?が案内をされてた。いくつもの一幅の掛け軸を、食い入る様に、しばらく見まして、はなれの高床になった蔵へ移動します。襖が、桟に填まったまま、お部屋空間を再現してあるような展示、兼、保管。すっかり堪能いたしました。よかった。長沢蘆雪の大胆な傑作が、いくつも、寺の本堂で生まれた。背景に、寺住職との禅問答のようなのがあったか。豪傑な精神はそのまま禅僧に通じているか。なにげない墨のひと筆に、膨大な画技の洗練が現れている。

ここに最後に来たことも、よかった。画集を購入して、その少し大きな白い包みを胸に抱きかかえたまま、帰りました。画集だけは手に持って、特急電車と新幹線に乗りました。

走れ!特急南紀!

充実した旅はするもの。一生のうちで旅のときだけが星みたいな煌めき、かもしれないこと。

串本。スーパーマーケットのお寿司のクオリティーが抜群よ。