寒い朝だった。
今日は、小歩危展望台へ行って、かずら橋へも行きたい。地図を見たら9分って出てきたので、行っちゃいましょと思い、お宿の人に話したら、歩くと1時間15分かかる山の上だということでした。車だと早い。
それじゃあ歩いて行ってみましょう、その後、国道32号線を走る路線バスに乗れるとよいな。
里に、ほのかな陽射しがあるの、いいね。
とにかく。国道32号線沿いに、川口駅から小歩危駅の区間に10コくらいバス停留所があるらしく、これをバス会社に電話して聞いてみた。いま、小歩危展望台を見てきた。この近くなら白川口だってこと。鉄橋が見えて、ガードレールが途切れた所が乗り口だとのこと。
停留所を示す看板が何も無い。バス、本当に来るの?にじゅっぷんくらい、指折り数えながら待つ。そしてバスが時刻どおりに現れた。10時54分。
「かずら橋」って書いてあるバス。これだこれだ。わたしは手を挙げて運転手さんに合図をおくるべく、大きくアピールしたとおもう。しかし、なんと、バスは素通りして行った。
???運転手が脇目もふらず、スピードをゆるめるわけでもなく、暴走したまま、突っ切って行ったのだ。その顔付きは、しっかりとわたしの目に焼き付いた。茫然。
直後にバス会社へ再度となる電話をかけて、怒りをまくしたてた。じっとしているわけにはいかない。知らず駆け出していた。小歩危駅発の列車で午後1時台のがある筈。もう観光は中止して帰るしかないのか。ほぼ公共交通機関がない土地での、まさかのバス素通り事件になった。
小歩危駅近づいたあたりで国道を走る車の運転席から顔を出す人。こちらに手で合図くださってる。まさかバス関係者が緊急に駆けつけてくださったか。そうではなくて、台湾人夫妻でレンタカーでの旅の途中、とにかくわたしを乗せて、大歩危駅へ連れて行ってくれることになる。
神さまかとおもった。国道は二車線あり、ずっとガードレールに囲われているのに、何故かうまい具合に路肩があって、わたしは車に乗れた。車内にて会話した。リタイアした金持ちの、台湾人は2週間かけて四国旅行してるらしかった。よゆうある人だから、困っているひとへの目くばせができる。
大歩危からはタクシー。かずら橋へは行きたいのだもの。車内では、先ほどのバス素通りで唖然とした気持ちのままなわたしは、ただただいかりをタクシー運転手さんにぶちまけてたとおもう。辺りが暗い時間だと、ちょいちょい素通りは発生しているらしい。
せっかく周囲の山々が絶品な光を讃えているというのに、文句にかまけている人がなんておろか。窓の外の移りゆく風景を眺めている、のんびりしたドライブが、わたしにとっての観光なのに、地点から地点への素っ気無い移動に金・金って照らしてる。タクシーの運転手さんの世俗感覚と、密になりたくなかったかんじ。
かずら橋へ到着。天気は、陰なかんじ。曇って暗かった。これがわたしのかずら橋になった。観光する時間がいちじかんくらいしかなかったのだっけ、わざわざ東京からこのいちじかんの為に来たのかも、ずっと来たかったのは、しょんべん小僧の像なのだけど、ざんねん。そちらへ辿り着けませんでした。
祖谷蕎麦をいただく。もうバス停へ行かなくちゃ。ここ、束の間だった。
帰りのバスには、乗れました。
徳島に到着して、眉山ってところに登った。アニメの聖地みたい。ロープウェイ頂上にこたつのあるカフェがあり、アニメオタクの人たちがちんまりと座っていらっしゃいました。
山のちょっとした階段で滑って、尻もちをついたのを潮時に下山しました。
徳島でお土産屋さんをたっぷり堪能して、空港へ行き、またもやお土産屋さんにて宝探ししてた。
空港のお兄さんが、徳島を旅行されたんですね、徳島、良かったですか。と尋ねてくださった。今回の体験やいかに。タイミングの神さまに守られましたね。感謝。帰りの飛行機は、国際線の大型になりました。悠々としたお席。
ご旅行は、これにておしまい。