おしごとの帰り道を逆向きの電車に乗って、旅へゆく日。乗り換えの駅でアクセサリー売ってるわ、半額ですって、キャー。と寄ってたら乗る筈にしてた便を逃した。
到着して、歩いたことがない街の夜道を、そのまちの空気感とか、愛情が滲むような気配とかをかんじながら歩いた。なんとなくあいされてる土地。そして善き温泉が湧いてるって。黒湯。
今朝は、5時前に目が覚めた。朝日が、裸の光。みたいになまめかしい光。に感じられた。そして、世の儚さを悟って、なみだがあふれてきそうなこころもち。なにがって。なんて自分はささやかな出合いを掬って、伝って、きょうまできただろう、なんて僅かなコトだけを味わって、この世を去るのだろうか。
この、振動したきもちが、夜まで止まなかった。小高い丘の上の土地に住んでいるので、都心のビル群が、地平線のほうに見渡せる。そのまとまったピンクが、嗚咽にも似たきもちに作用した。