TORABARA はづき31日

夏の終わりに、浴衣を着た。電車に乗り、上野へゆく。屋台で買い食いをする。台湾の、祭りでした。後、浅草へ移動。

だんなの人と、今年初めて。上野へは初めて出かけた。わたしにとって行き慣れた、なんならそっくりの足跡通りで歩く道とは、ぐいぐい別な歩き方をする。公園口から出て、喫煙所はどこか探す。喫煙所へ行く。祭り会場に入って、また何度か、喫煙所へ行く。

だんなの人が高校生の時にバイトした喫茶店、浅草。これを探訪することになる。2カ月も続かなかった。何もかもが初めてで鮮烈だった。サボってディスコ行ったのでクビになり、嫌な思い出になり、以来足を向けたことがなかったが、最近になってディスコに自分を誘ってくれた、自分をかわいがってくれたバイト先輩ふたりが、懐かしくなり、もう嫌な思い出ではなくなった。とのこと。

それらしき記憶を辿って、多分ここ。という建物を見つけた。ドアの横に鐘型の鉄飾りが取り付けてある。現在焼肉屋になってるけどカップボードらしき棚が、店外のガラス戸越に覗けた。

代官山の奥地。だんなが以前住んでいたエリア。7年ぶりらしいけど、どの通りか、しばらく迷っていた。ボロ屋は建て替えられて、門も付いて、セコムされてた。

だんなはかつて会社経営をしていた。以前の住まい、二軒ひっこししながら暮らしたらしい辺り、は、お洒落な飲食店が点在していて、とにかく美味しいお店に入って、こんなバーベキューで焼きたてを食べてる風な旨いナス、食べたことない。すごいよかった。だんなってオシャレライフだったんだっけ、あなたは誰?というふしぎさだった。

だんなは、自分中心の行動だけがあるひと。稀にしか外出しないうえに、自分にゆかりがあることしかしなかった。わたしは今日、浴衣を着ているのに、一枚も写真撮ろうとか言ってくれなかった。

付き添いをしただけかよとおもいつつ、だんなは今まで、誰かを連れて、昔の土地へ行ったことがなく、わたしに見せたかった。ということでした。