TORABARA かんなづき22日

すごく昔、わたしは22日生まれの人が好きで、そのひととわたしはちょうど8ヶ月誕生日がはなれていて、中間であるこの日に、何人かで会うことになって、それを、ふと、思い出していた。

今、それは無機質にしか思い出せない。その人が好きだという感性は、もう消え失せていて、わたしの成長過程で、その人が好きだということを鏡のように自分を成り立たせていたそれは、石杖のようなかんじかもしれないけれど、それすら、さっぱり思い出せない。

そういう人(って、どういう人なのか、よく知らないまま、何かイメージ?)に、何かを期待していて、自分にまきおこる、ふわふわとした感覚を、楽しんでいたのだったか。

その22日生まれの人は、モテていたことは事実。いつだったか、会話したときに、モテ男に特有のクソつまらなさを察知して、醒めきった。と記憶する。モテ男は、努力しなくても、キラキラと話を聞いてくれる女子に囲まれて育つために、とてもつまらない男に仕上がる説。

失恋でひん曲がりつづけた乙女心は、もう恋を忘れた話。