風が強い日。高い木はうねって、木擦れの音がやまない。地上の、木に囲まれた道は守られて、ほとんど風をかんじなかった。ここはとくべつな回廊なのだ。
美術館にふたつ行って、映画館で、イオセリアーニを観ました。1970年のジョージアで撮影された作品。非常にみどころがある。こういう時間のながれかたを見ると、いかに現代がルールだらけで縛られているか。人が人に親しみを抱くようすが、血が通っている世の中だったように眺めた。
主人公が、このごろ何をしているか友人にたずねられて、ぼくはなんにもしてない。って即答したところ、そう、なんにもしていないのかも。今、わたしも。観るべきな映画だった。生きることの讃歌があふれていた。