TORABARA やよい14日

香りが先で、この香りは、沈丁花か。と思ったら花の姿が見えた。道路を走っているときに。

関心の有る無しを顕にされること、に神経が過敏だった。人からの承認ありきで自分というのは「在る」、人からのお引き立てありきでこその自分、だとすると、自分を「無」にされたようなかんじ。だったと思う。

あなたに関心がありません。と、保護者が言ってしまうことは、虫の群れの中では暴力であろう。田舎というのは、虫の群れ、と同義だとおもう。目は無い為に、右往左往しているしかない。

誰々さんが目をかけている、からこそ初めて、なにかの話が始まる。人の体はキョーミないと動かない。それで、関心を向けラレナイ、ことは、なんにもない、なんにもしない、なにものでもない、価値の無いことに自動的になる仕掛けだったとおもう。村社会。

都会では、村社会ではないありようがある。村社会とは決別したことに因っているひとは、都会でしか暮らせない。

家との一体感、にしか基づかない行動、を何故にせっせとしているか、家にだけ帰ることに生活の焦点がある田舎者がいるけど、どうかわたしを巻き込まないでほしい。これをダンナに向けて言っている。わたしにとって逆戻り、がつづくようならば、けっこんをかいしょうしたいほどの、逆鱗。

随分と記憶が遡るが、大学の入学式に、上京したわたしは、保護者代わりに姉に付き添ってもらうことになった。これは親が決めた、というのを口実にして、姉は親のお金で、服を買った。それが花柄の短いワンピースで、当日は、大学のメインストリートに机を出して、サークルが勧誘していたとおもうけど、せっせと、姉にチラシを渡し、呼び込む様子ばかりを、わたしは他人事のようにながめた。

入学式が、この姉に付き添い、姉を引き立てた、という行事になった。誰が、大学に通うのか、誰の、大学か。意識が、この光景を体験したことで遠くへ離れてしまったまま、まるで焦点はズレたまま、結局は、私は大学を辞めてるけど、初っ端からろくでもなかった。

おまえが今、出しゃばるなや。という怒りが、何十年も経って、再燃していた。調子に乗っているじょうたいを、更に加速させていた私の親は、姉だけが偉い、おまえは姉の邪魔にならないようにしなさい、お金の負担もおまえには出来ない。というスタンスだった。わたしのことを古いボロい県人寮にぶち込み、姉にだけは、一人暮らしをさせていたし。ひずみ。

のこのこ、ひとさまの式に出て、我が物顔をすることが、ありありと思い出され、花柄のワンピースは調布パルコで買っていたことから、調布パルコを忌み嫌い、何十年も、封印するほどに、自分の新生活を踏み出そうとするひとにとって、酷な光景だったのだとおもう。

少女のきもちに戻って泣きじゃくるような日。

家。に一体感を持ってるひとへの嫌悪感。なにが引き金になったやらで、また、あの、花柄ワンピースにまつわる嫌な気持ちが蘇えっていた。

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