時間指定で美術館のチケットを購入していて、その時間内に間に合うのかってころ出発した。もうこれ、確実にアウト。と判り、チケットって1分でもおくれたら無効なのだっけ、という焦燥感で、囚われたまま、ネットの乗換案内の画面を睨む。無効になってしまった場合も、猛り狂わないように、自分を宥めた。無効ならば、チケットをすみやかに新たに買おうではないか。たいしたことない。と念じ、駅からは、雨の中、ほとんど走って、到着。
6分、遅れた。
会場案内の女性は、やさしかった。まるでこちらの時間がずれてしまう根本の、せんざいてき歪みまでも手当てしてくれそうなくらい、いいんですよ、ようこそ。という具合に迎えてくれました。美術が美術館がサービスがなんたるかをわかってらっしゃる。はああ。よかった。
美術観賞、たのしかったです。いい絵がたくさんある空間は、そこにいるだけで至福がある。いい絵というのは、ぐびぐび飲む、みたいな味わいかたができるものです。どの絵が一番好きだったかな、初期の頃の作品で、その画家のスタイルのハシリが顕現しましたね、という重要な一枚。かもしれないやつに釘付けになりました。
※厭世的な気分が、おそらく今のわたしにあるため、肖像画は、ハガキは、選ばなかった。