古本屋さんに3つ行く。昨夜、何年も前に、画集をくれたひとからレンラクが入り、これはくれたのではなく、預けた、のだったらしい。画集、返して。
と言われたので、捨てたけど。と答えた。醜悪な姿がリアルにデッサンされていて、日本だとほとんど出回らない、レアなやつ。わたしにとっては、もう眺めることも無いと判断して、ただのゴミとして出した。
えええ、うそおぉ。と絶句され、貴重なものの希少価値が、まるでわからないことを嘆かれる。急に、なにも捨てることなかった、惜しいことをした。と、ざんげするきもち。貸す、とはいわれてないのでいきちがってるけど、この画家の画集を、ネットで探して、同じものでなくても、この画家の本を、くれた、(借りた?)ひとに、差し上げよう。(返そう。)
古本屋に脈あり。もしかすると、ネットにあげていない古本屋さんもあるかもなので、めぼしい本屋さんを歩いて回ってた日。古本屋は、偶然があるところ。店のひとが、今日わたしがここに来ることを、予知していました、みたいな笑顔で目を合わせた。わたくし好みの画集も、いくつも選んだ。不思議なくらい、いいものが集まった日。
貴重なご本のことは、捨てた後で、真価に気づいた。このたび、同じ画家の別な本(同じ本は絶版)をさがしたことによって、画家への理解が深まったのでよかった。
OTTO DIX