TORABARA きさらぎ22日

紀の川SAで、不知火ジュースを手に取る。みかんの種類が豊富なのね、シラヌイ。ですって、読み方。

ギリギリの寸出で、なんとかさいぜんを選ぶこと。をしてゆく。スリルがれんぞくしてゆく。そういう、旅。わたしの人生の傾向でもある。

高速バスの停止駅に、温泉地の近くがあることに気付く。新湯崎。崎の湯は、8時からオープンしていた。強風と雨で傘が曲がりそうだったのに、太平洋、直その波が入ってくる露天風呂を、一人占め。まったく雨粒が止んでいる、空が明るく、水色がすこし見えた。天気は、わたしの思うままなのか。両手を広げて、波に合わせてジャンプした。まっ裸の原始人が地球のうたをうたう。みたいな時間。

次は、洞窟へ。検索すると亡霊っというワードがヒットする。それでおっかないから行くか迷いがあったのだけど、風光明媚なのを見たい。洞窟は、こてこてに、昔の匂いがする処。源平の戦いで、兵士は舟ごとここに潜んでいたらしい。

絶景。

足早にここは去った。なにしろバス時刻が、迫る、その度に問うのだ。もっとここに居たいか、その長さは、バス時刻次第になるけど。9時33発、唯一ここから本宮さんに直通するバスがある。これに乗った。

雨なので、難しそうな山行は、やめておく。本宮さんへお参りして、またまたバス。に運ばれて、発心門王子から、熊野古道を歩いてみよう。そして、川湯温泉に泊まる。

熊野本宮さんへお参りしたい。とノートに書いたら、本当に来てしまう。八咫烏さん。との由縁があるから、カラス見かけると有難く思えた。神さまの化身よ、更に、スサノオさんの祀られている屋根に烏がお登りあそばせたのでした。おおお!と見上げていたところに太鼓が鳴り出し、祝詞も聞こえ始める。しゅくふくのしるしみたい。むねがいっぱいになる。

熊野古道は、歩いている間は、雨が全く降っていなかった。道沿いに、ハッサクが売っている。一コ、剥きつつ頬張って水分補給にしながら進む。皮は捨てないで、シャラシャラする薄いビニールをゴミ袋にしてポケットに持ってる。歩き食いスタイルは、これだね。曇っていたせいで山にたなびく霧も見えた。

山に霧のたなびく。

どれほどか歩いて、大斎原が望める。

山並みの重なる背景

本宮さんまで歩いて、まだお授けいただけるなら烏牛頭を、三山巡るから、集め始めようではないか。そして、窓口は、夜景になってランプが灯って、開いていました。

バス。16時58が、最終です、間に合った。川から湯煙がたちのぼっていて、なんといい風情なの、ここにはいろいろ、生きてる。木霊とかも交じった空気。それで泊まった部屋だけど、鏡に劣化した石みたいな部分があって、それが赤くて、中央が目ん玉みたいな青。はじめ、わたしが口紅を付けたっけ、と二度見して、いえいえ、何かが石になったような、なんだったの、とにかく、意識してしまい、電気を消せなくなる。鏡は、壁の真ん中に掛かっていて、ひんぱんに前を通るしかない。ジーっと、その一点にしか気持ちが向かわなかった。

夜とは闇だったことを忘れるようになっている。畏れる対象、異界は、世の中から取り除かれていった。なにかが宿っているかもしれない、気配としての恐さ。とにかく朝になれ。早く。という時間。夜中3時に、なんでこんな部屋を用意されてるのか恨んで腹が立っていた。夜が濃かったってことか。

川。食堂から撮った。

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