目が覚めて、雨。風が激しい。食堂にいるドラ声の仲居さん、どすの効いたサービスが、ちょっとイカツい。魚を網で焼く、旨いご馳走でございました。
遊覧船で島を巡るプランは、無し。ゆるく温泉廻りするか、いいえ、もっと攻める。
親指の爪、きらなきゃ。マニキュア直さなきゃ。さて。必ず、この電車に乗ること。往き:10時05-10時43 復り:15時10-15時48。そののち南紀白浜8号に乗る。
本州最南端ですって。ときめく。岬の風が横なぐりで烈しかった。
ちーん。寅も龍も、出張中。現在、九州の展覧会へ。頻繁に、ひっぱりだこで、ここの倉の襖で収まっていることのほうがめずらしいくらい。
客は、わたし一人だった。作務衣すがたの寺の尼さん?が案内をされてた。いくつもの一幅の掛け軸を、食い入る様に、しばらく見まして、はなれの高床になった蔵へ移動します。襖が、桟に填まったまま、お部屋空間を再現してあるような展示、兼、保管。すっかり堪能いたしました。よかった。長沢蘆雪の大胆な傑作が、いくつも、寺の本堂で生まれた。背景に、寺住職との禅問答のようなのがあったか。豪傑な精神はそのまま禅僧に通じているか。なにげない墨のひと筆に、膨大な画技の洗練が現れている。
ここに最後に来たことも、よかった。画集を購入して、その少し大きな白い包みを胸に抱きかかえたまま、帰りました。画集だけは手に持って、特急電車と新幹線に乗りました。
充実した旅はするもの。一生のうちで旅のときだけが星みたいな煌めき、かもしれないこと。