いったいひとは どこからきたのか。
目が醒めた時、家族のひとがお勤めに出発する支度をしていて、出窓からふり注ぐ光の中にいる。動的な活劇というか、シルエットが動く様子を見ていたのだけど、無機質な様子を、俯瞰して見ていたといえる。
ひとの動作から意味を抜き取って、突如うごめきをはじめた何か。として眺める。いつから、ひとが、出現 したのか。わたしはさっき、注射を一本打って、すべての記憶を注入されただけかもしれない。
このかんじを掴みっぱなしの日。なにかしら神妙だ。1週間に1回通うビルに到着した時も、お昼に焼きそばパンを所望したことも、どこかふしぎだった。