送り団子を作る日。餡子を入れて胡麻団子にした。蒸し器で火を通してしまって、ごま油で両面を焼いて出来上がり。
お盆の祭壇には、おじいちゃん、おばあちゃん、母方の従兄弟ひとりを、お招きしている気持ち。来てるかどおかは知らない。西の窓辺に、果物、お花を飾って、日本酒は憧れの土地を冠したのを並べた。白神山地(もうすぐ行く)、山形月山(いつか行きたい)。
従兄弟(20才年上)は、チョコレートと、新婚のお嫁さんとスパゲティ食べに行くのが好き、くらいしか、好きな食べ物を知らない。(昔聞いた)
従兄弟に子ども2才のベビーシッターをしてくれと頼まれて、私が小学校6年の夏休みの間中、家に通っていた。従兄弟が子供会合宿を主催すると言って、私が手伝うことに勝手になっていたりした。近しく親しいひとだったのは田舎の学生時代までで、ピタリと付き合いがなくなっている。
私に、ひとつ年上の姉がいて、一人暮らししているダイニングキッチンの床に、この従兄弟から贈られた梨の箱があった。20過ぎの頃。わたしも東京で暮らしていたのだけど、わたしとは音信は途絶えるというか、相手にされないというか。キョーミ無しってことだとおもう。
子供会を手伝っていたのは、わたしの方なのに、梨の箱。を見たことを最後に、息の根が止まってしまったみたいに、わたしはこの従兄弟の存在を閉ざした。かわいがる。めをかける。こととそうではないことの歪。
幼いわたしはただただ従順に、健気に、いとこのお手伝いをした。転じて、お呼びでなくなった。わたしの中の少女がいつまでも泣きじゃくる。なにかがだめだったみたい。
従兄弟は、自分で育てた自分の病気で、けっか、命を落とした。生きている間、ひとはぶざまだ。今世では、少ししかかかわることがなかった。
仏になった魂は、ここに寄って、桃でもたべていってね。