夜、西の空に下弦の細い月が出ていた。カッコいい。
ささやかすぎる、暮らしのはんい。ほんの鼻先みたいな、つき合いがあるけどそれは、入れ替わる。結婚しているひととはご縁があってのことだったとして、過ぎ去ってゆく、シゴトサキ、毎日関わっていたこともあったのに、わたしが去ることは多く、わたしのしょざいはゆくえしれずってこととおもう。いろんな名前も忘却の果て。
想像力のうすい、中年の女たちとは、離れた。かのじょたちの了見に収まるような、こちらを何だとおもっているか、に沿う、落とされ方は、なんだったか。かのじょらに起こり得ることと、そもそもの器が異次元にちがうのだ。いったい何がおこっているか、幻想に近いようなこと。これを言いふらす訳じゃなし、平板に画一化された、ありきたりな角度での事実のキリトリに委ねるつもりがない。わたしはだあれ、わたしの実態が知れることは無い。これを、ロマンと呼ぶ。
旅先は、自分自身への居心地があってこそ、楽しくてしょうがないのであり、外の要因が、清涼剤あるいは、ポエム。知らない場所をどこまでも歩いてみたい。その土地でしかいただけない珍しい出会いは、いいですね、和菓子とか日本酒とか、真珠。砂。お土産品のられつよ、ボケないお茶、松ぼっくり。滝も湖も、海岸線の岩たちも、観覧をしたそのことが思い出という名の宝。